更新日:2022年11月30日
こんにちは、エア・ウォーターNV㈱です。
ステンレス鋼は難窒化材と言われていますが、
エア・ウォーターNV㈱は、『ステンレス』への窒化処理をとても得意としています。
今回のブログでは、
ステンレスが難窒化材の理由と弊社独自窒化プロセス「NV窒化」をご紹介します。
ステンレス
ステンレスとは
ステンレスは鉄(Fe)に一定量以上のクロム(Cr)を添加した合金鋼です。
ステンレスは耐食性以外にも耐熱性・加工性・強度など優れた特性を備えていることから、幅広い分野で活躍しています。
ステンレスは英語で「Stainless Steel」と言い、“さびにくい鋼”という意味です。
不働態皮膜
ステンレス鋼は不働態皮膜という薄い膜に覆われています。
鉄と酸素が結合する前に、ステンレス鋼に含まれるクロムが酸素と結合して金属表面に薄い不働態皮膜を生成します。
この皮膜は鉄と酸素が結合(錆)するのを防いでくれます。
しかしながら、この被膜は窒化処理工程において、窒素の侵入も阻害してしまいます。
故にステンレスは難窒化材と言われています。
NV窒化プロセス
NV窒化
弊社独自技術「NV窒化」は、
ガス活性化処理とガス窒化(ガス軟窒化)を組み合わせた処理です。
ガス活性化処理は「NV窒化」の中で最も特徴的な工程で、
この活性化処理によって、NV窒化の適用可能鋼種は飛躍的に拡大し、低温窒化処理が可能となりました。
ガス活性化処理
ガス活性化処理(フッ化処理)は不働態皮膜を分解します。
分解することで表面にバリアー層の無い状態で窒化処理が可能となり、
ステンレスでも均一な窒化層を形成することが可能となりました。
低温窒化
低温窒化
通常ガス窒化処理は500℃以上で処理を行いますが、
ガス活性化処理(フッ化処理)によって、
表面にバリアー層の無い状態で窒化処理が可能となったことから、
NV窒化は300℃後半での低温処理から600℃までの広い温度域での処理を実施することができます。
ステンレス鋼の低温窒化
ステンレス鋼の低温窒化はステンレス鋼の耐食性低下を極小化できます。
オーステナイト系ステンレス(SUS316)に380℃と570℃の温度で、窒化処理を行い。塩水噴霧試験の結果が下図となります。
570℃処理品は24時間後に錆が発生しておりますが、380℃処理品は2400時間経過しても、錆が発生していないことがわかります。
※オーステナイト系ステンレス(SUS316など)の耐食性と表面硬化を両立したパイオナイト処理がございます。ご興味がございましたら、下記をクリックしてください。
おわりに
弊社独自の窒化プロセス「NV窒化」は、
難窒化材と言われているステンレスでも窒化処理
ができます。
従来工法の欠点を払拭し、
幅広い鋼種に適用可能、環境負荷が少なく、低コストのプロセスがNV窒化です。
表面活性化処理とガス窒化を組合せ、強力な窒化力とコントロール技術により、ハイパフォーマンスな窒化層を生成します。
また、低温処理も可能で、幅広い温度での処理に対応できます。
エア・ウォーターNV㈱では、お客様の要望(要求仕様、受注量など)に合わせて技術スタッフが最適な処理条件を設計致します。
まずはお気軽にお問い合わせください。専門スタッフが丁寧に対応致します。
少しでも興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
皆様にお役に立てる情報を今後も発信していきます。
引き続きよろしくお願い申し上げます。
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